大学へ行こう
国公立大前期日程目前の2月22日、5月号の取材で東北大学にお邪魔した。
先方に我儘を言って取材をこの日にさせてもらったのには、一つ理由があった。
小誌2月号で取材させていただいた同大学友会応援団のみなさんが毎年入試の直前に行っている「受験生応援」のイベントが、次の日に予定されていたのだった。
取材の翌朝、快晴ながら冷たい風が吹く仙台駅前へ。
羽織袴に高下駄履きの団員たちと、華やかなチアリーダーのみなさんが、道行く人々に熱いエールを贈っていた。
エールを受け取るのは、東北大の受験生だけではない。たまたま通りかかった他大学の受験生、また小さな子どもから、勝利を目指すスポーツ選手、仕事に励む中年サラリーマンまで、その場にいるあらゆる人々の「がんばり」を応援するのが彼らの流儀。
熱のこもった演舞と、それを笑顔で取り囲む人々の様子を見ていたら、不意に涙が零れそうになってしまった。“無償の愛”に似たような、なにかとても美しいものを感じたせいだろうか。
大学を訪ねては、そこにいる人々に話を聞く仕事をするようになって3年。ここが若者にとってどれくらいステキな場所かを伝え切るにはまだまだ力不足だけれど、『螢雪時代』や「パスナビ」の記事を通じて、一人でも多くの人が「大学に行きたい」と思えるようになったらいいなと思う。そのために今年もできるだけたくさんのキャンパスに足を運びたい。
いち編集者の決意表明はさておき、ともかく明日だ。
国公立大学を目指す受験生みんながその実力を出し切り、笑顔の春を迎えることができますように。